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The Association of Small Business Entrepreneurs in Hokkaido
〜私たちは地域の発展と人間尊重の経営を目指す経営者集団です〜


 【随 筆】 幻の石焼いも店から学ぶ地域経済の今後


NPO法人 地域生活支援ネットワークサロン 事務局代表 日置 真世氏(釧路支部会員) 

 

 

 米町公園の前に頑固石焼きいも『いしや』があるのをご存知ですか?おそらく、釧路市内で唯一の石焼きいも専門店ではないかと思います。ここは当社が運営しているお店で、去年オープンしました。開店日は月、火、木と週にたった3回。しかも開店時間も午前10時から午後3時までと、実に商売っ気のない営業日時となっています。

 こんな商売をしている理由は、ここが障がいを持つ人たちやその他、就労困難な若者(おじさん、おばさんも含まれていますが)たちの就労もしくは就労実習の場だからです。私たちは、NPO法人として主に障がいを持つ方たちを様々な角度から支援する事業をたくさんしてきましたが、「就労支援」はなかなか難しくハードルの高い事業の一つです。一般の就職も難しいこのご時世ですから、障がいほかハンディのある方が働ける環境を整えるのは容易ではありません。その試行錯誤から誕生した働く場の一つが『いしや』です。働く側のペースに合わせて、楽しく継続して働くことができるように、だからと言って損をするような商売はできないので、儲からないにせよトントンくらいにはなるように、バランスを取りながらの事業展開をしています。

 そう考えてみると、事業というのはそもそも収益だけを考えればいいというわけではなく、働く人の特性や意欲とのバランスで行っていくことが大切だと改めて思うのです。『いしや』のやり方は商売としてはお世辞にも上手とは言えませんが、事業を行う上で大切なことを教えてくれます。

 ここ最近、地域の経済構造は大きく変化しています。人口も減る、少子高齢化にも拍車がかかる、地域にとっては暗い話題が多いです。でも、「ピンチはチャンス」とはよく言ったもので、働くという意味では、『いしや』から学ぶことができるよう、労働市場から遠ざかっていた人たちの小さな力も活躍できる仕組みを含めて、今こそ新しい地域経済の仕組みを作るチャンスだと思っています。

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