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「家族にとって幸せなお産を」 |
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助産院マタニティ・アイ 春日井 六実 (釧路支部)
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釧路町に助産院を開業して16年になります。中学校を卒業と同時に看護の道に入っ
て44年。この道一筋最終的にたどり着いたのがこの助産師という仕事でした。助産
師になって数年間は病院の中で出産介助、新生児看護と無我夢中で仕事をこなす毎
日。分娩室、手術室と走り回り、一日に何人もの赤ちゃんを取り上げるため、お母さ
んの顔も赤ちゃんの顔も覚えられない。異常があっても障害があって生まれても、将
来を心配してあげる事も成長を見届ける事もできない寂しさ。家族にとって子供が生
まれるという事がどんなに大切で不安なことか考える余裕もない仕事に疑問を感じて
病院を飛び出しました。
その頃は釧路には助産院が一箇所もなくなり、日本の中でもお産は病院でというの
が99.9%以上で、開業は大きな冒険でした。資金調達が困難で、技術の不安もあ
り、周りの反対もありました。しかし家族にとって幸福な暖かい心の通いあう出産を
お手伝いしたい。女性の産む力と赤ちゃんの生まれる力を最大限にいかした自然なお
産をお手伝いしたい。生まれてくる子どもが幸福になれるようお世話をしたい。とい
う情熱と意気込みだけがありました。
今まで2500人以上が私の手元で産声をあげ、成長した子ども達の姿をみる時、
私もこの子達と一緒に成長させてもらった事を実感します。今、おなじ志をもつ仕事
仲間も増え、スタッフも5人になり、仕事内容も充実してきました。地域での活動も
広まり、思春期教育、育児支援等にも力を入れています。ただ一つ忘れていたのは、
助産師としてやりがいもあるが経営者としての苦労も同時についてまわるという事実
です。
これだけは、情熱だけでは解決できない問題で、いつまでたっても成長できない未
熟者です。諸先輩のご指導を有難く受け、この道を後輩に引き渡す事ができるよう頑
張って行きたいと思っています。
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