（株）宮原組　宮原文憲　（釧路支部・厚岸地区会）

厚岸地区会では、４月から１年間をかけて『厚岸歴史講座』を開講することになりました。

　地区会ができて１年が経ち、会員の中から「地元に貢献できることを何かやろう」という声があがってきました。そこで企画されたのが歴史講座です。講師の皆さんはお寺の元住職さんとか、開拓農家の末裔の方などの年配の方にお願いしました。先輩の体に染み込んだ歴史をすくい出すのは私たちの世代の義務だと思うからです。

　厚岸は豊かな歴史に包まれた街ですが、残念なことに、私たちは自分たちが育った街の歴史についてほとんど知識を持ち合わせていません。これではいけない。『愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ』と先人は言いました。私たちは歴史の中に生かされています。経営者は経済活動だけに専念するのではなく、歴史についても学ばなければならないのではないでしょうか。会社の経営指針を練るときも、歴史をひも解きながら考えたいものです。故郷の歴史を学ぶことによってこれからの厚岸の進むべき道を考える端緒にしたいと考えています。

　厚岸は美しい街です。豊かな海にはカキが育ち、ベカンベウシ川には幻の魚のイトウが棲息しています。広大な酪農地帯からは良質な牛乳が生産されています。さらに全国に誇ることができる歴史を私たちは抱いているのです。私の会社にも大勢の町民の方から「いい企画だ。同友会がんばれ」と激励が届いています。中小企業は地域の皆さんの支持がなければ存続しません。厚岸地区会としても町民と一緒に学ぶ企画をこれからも計画していきたいと思います。

　歴史の勉強を通じて、町民が故郷への誇りを抱く。こんな素敵なことはありません。