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The Association of Small Business Entrepreneurs in Hokkaido
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 【随 筆】 『ミステリー』


釧路市漁業協同組合 常務理事 浦田 満氏(釧路支部会員)

 

 

 経済学科の卒業なのだが、卒論は「作家論」だった。ゼミの先生は「4年間で自分が学んだことを論文にすればいい」と言ったが、おそらく呆れ果てたことだろう。

 

 若い頃からそうなのだが、気にいった作品に出会うと、その作家の他の作品を続けて読んでいく傾向がある。卒論の作家論を書いたときも、随筆なども含めほとんどの作品を読んでいく中で、ふと、「その作家自身の経験した世界が作品に深く投影されているのではないか」と感じたのがきっかけであった。

 

 逆に言えば、「作家は経験を色々な小説の中に散りばめている、若しくは一つの経験したことから一つの小説を作りあげているのではないか」ということ。

 

 偏屈な読者である私は、いつのまにか、発表された小説の中から作家そのものの「経験を想像していく読み方」になってきたようだ。

 

 ベストセラー『チームバティスタの栄光』の作者「海堂尊」の一連の作品群は、各作品の主人公が代わり、作品ごとに、様々な医療についての課題を考えさせる作品であり面白い。それとは別に、全ての作品の登場人物の「相関関係」が気になりだしており、『ジーンワルツ』と『医学のたまご』と『夢見る黄金地球儀』の登場人物の繋がりに思わず「ニヤリ」としている。早く新作がでないかしら。

 

 理系ミステリー作家の「森博嗣」もその作家の背景には興味があった。文庫に多数の作品があり、まだ10冊程度しか読んでいないが、作品の中で主人公に言わせる論理には「頭がいいんだろうなあ」と感心したから。

その後、本人が日記を公開している文庫を手にして、「あら、想像してたのと違う」と少々戸惑ったりした。

 

 何事も、少しばかり謎があるのがよろしいみたい。

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