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The Association of Small Business Entrepreneurs in Hokkaido
〜私たちは地域の発展と人間尊重の経営を目指す経営者集団です〜


 【随 筆】 『経営指針成文化のすすめ』

 


みどり建工(株) 代表取締役 山崎 宏 (南しれとこ支部会員)

 

 はるか昔、夏休みや冬休みに入る前に先生から「目標をきちんと持って計画をたて、予定表を見ながら生活をしなさい」と言われたものだ。実際はそのような生活を送っていなかったし、有意義に休みを過ごして成長した記憶も無い。
 3年前より南しれとこ支部の経営指針づくり研究会に参加させてもらい、毎年見直しをしてきたが、今では指針の必要性を痛感し、同時に昔先生に言われたことの意味をやっと理解した。

 

 研究会では『人を生かす経営』、『経営指針作成の手引き』(中同協発行)を基本にし、同時に愛知同友会の長山伸作氏作成のソフトを使って成文化を進めてきた。そこで先ずカナヅチで頭を叩かれたのは自らのライフプランを立てなければならなかったことだ。「仕事人」「個人」「家庭人」「社会人」として十代から死ぬまでの人生設計ができているか!という命題である。3年前の私は、明日から学校が始まろうとしているときに休み中の計画を練ろうとしている子どものようなものだった。
 同友会の経営指針づくりは「経営理念」「経営方針」「経営計画」の三部構成で考えられている。研究会ではそれぞれ細部にわたって現状の分析をしながらプランを持ち合い、相互に意見交換をしながら作成した。互いの社内事情も話し合った。決算書の数値も出し合って討論した。経営者同士でなければ話せないことも出された。まさに同友会。仲間意識が高揚し、胸のつかえがとれた。

 

 不況がここまで長引くとは予想できなかった。若い経営者が夜中に目覚め、寝られないという話を聴くと心が痛む。私は研究会のおかげで3年前から夜中に目覚めることは無くなった。
 先月の例会で研究会に参加した別海地区会の若い経営者2人が、初めて作った「経営指針」を発表した。発表を終えた二人の顔が精一杯生きている男の面構えになっていた。顔は笑っていても眼光がキラリと光っていた。

 

 例会後、帰宅した私は彼らのために乾杯した。

 

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