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The Association of Small Business Entrepreneurs in Hokkaido
〜私たちは地域の発展と人間尊重の経営を目指す経営者集団です〜


 【随 筆】 『ケーナに魅せられて』

 


(有)ケイ・クリーンサービス 代表取締役 木嶋 悦寛 (南しれとこ支部会員)

 

 皆さんはケーナという楽器を御存知だろうか。実際に見たことは無くても「コンドルは飛んでゆく」と聞けば、なんとなくイメージできるのではないだろうか。


 私とケーナの出会いは今から33年前、高校2年生のころのこと。ラジオから流れる不思議な笛の音色に聴き入った。ケーナの存在を知った瞬間であった。その後自分で吹いてみたいという衝動から楽器を買い求め、教則本を手に、独学でケーナの奏法を習得した。


 初めて手にしたケーナは葦とも竹とも区別のつかない材質で、アルゼンチンで製作されたものであった。現在はボリビアの低地に自生する竹で作られた楽器を使用しているが、その材質には様々なものがある。一般的なのは竹や木で、牛の骨からつくられたものやプラスティック製のものまである。


 南米のボリビアやペルーで盛んに演奏されているケーナであるが、フォルクローレと呼ばれる民族音楽からポップスまで、幅広く利用されている。その中でもボリビアはフォルクローレ発祥の地で、ケーナの現在のような演奏スタイルが確立されたのもボリビアであった。


 憧れの地ボリビアに行く機会を得たのは2000年3月のこと。知り合いを通じてボリビアのトップミュージシャンの家にホームステイさせてもらい、2ヶ月間という短い期間であったが演奏や歌唱を習い、他にも国内最高の舞踊家からボリビア民族舞踊(舞踊についてはまたの機会に紹介したいものである)を習った。人生においてホンの一瞬の出来事であったが、今の自分を支えている大切な経験であった。


 最近はフォルクローレの演奏をめったにしない。4人で活動していたニナ・マルカというグループのメンバーが妻と私の二人になってしまったというのも理由の一つだが、この土地にはもっとふさわしい音楽があると考え、オリジナル曲の作曲に取り組んでいる。友人の協力も得てCDの製作もすることが出来た。これからはケーナの音色を生かした音楽で、道東の魅力を発信していきたいと考える。

 

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