ID : Pass : 新規登録
The Association of Small Business Entrepreneurs in Hokkaido
〜私たちは地域の発展と人間尊重の経営を目指す経営者集団です〜


 【随 筆】 「学習塾経営を通して感じること」
      

 

北海道労務サポートオフィス 代表 三木克敏 (釧路支部会員)

 

 私は社会保険労務士・行政書士事務所を営む一方で、個別指導の学習塾を経営しています。さて「全国一斉学力調査」において、北海道の子どもたちの学力は全国最下位レベルにあることが判明しています。そして、我が釧根地区は低いとされる北海道の中にあっても、さらに一段と低いというのが悲しい現実です。
 

 言うまでもなく、地元経済の将来の担い手はその地域の子どもたちです。地域の経済力を高めるためには、優秀な人材を育成することが不可欠です。地域経済を山に例えるのなら、その裾野を広げることが、教育行政に科せられた大きな使命であるはずです。私は、地域経済や地域が抱えるその他の諸問題の多くは、地元の子ども達の基礎学力レベルと切っても切れない関係があると考えています。
 

 全国的に「子どもたちの学力低下」「親の経済力による子どもの学力格差」「貧困の連鎖」といった問題が表面化していますが、率直に言って、我が釧路では、それらが指摘されるようになったはるか以前から、そういった問題が表面化しています。
「釧路は時間にだらしない人が多い」と言われますが、子どもたちについても同様で、遅刻や忘れ物についても他地域よりもルーズと言われています。「基本的な生活習慣が身についていない子が多く、家庭の協力もなかなか得られない」という声を聞くことがあります。「子ども」と「親」、「学校」、「教員」の
ベクトルが互いに違う方を向いているのが現状と言えそうです。改善は簡単です。「行政」が方向性を示してそのベクトルの向きを同じにすることです。そのためには、
1.釧路の子どもたちの学力・学習状況を正しく分析して結果を公表する
2.問題点を洗い出す
3.学校・家庭・地域で問題点の認識を共有する
4.官民一丸となった釧路独自の学力向上プロジェクトを立ち上げる
ということになるでしょう。
 
 残念ながら釧路では、今も昔もそういったことがなされたことは一度もありません。プロジェクトを立ち上げたとしても明確な結果が出るのは5年先・10年先です。しかし、このまま手を打たなければ、他地域との差は開く一方です。実際に全国各地でそういった取り組みが急ピッチでなされています。家庭と地域を巻き込んだ形での学力向上対策を打ち出し、そして実行しています。
 

 遅きに失した感は免れませんが釧路も、いや大きな遅れをとっている釧路であるからこそ早急に手を打たなくてはなりません。行政が人口増・税収増を目指し観光誘致、企業誘致や産業振興を目指すのは当然のことでしょう。しかし、それが地域経済活性化の根本的な解決になると断言できるでしょうか。人口流失の歯止めの決定打となるでしょうか。
 

 釧路は既に、その独自の「自立支援プログラム」が効果を上げ全国から注目を浴び続けています。同様に官民一丸となり学力向上のノウハウを構築・蓄積して、地元の子どもたちが受ける公教育水準を、他地域の人がうらやむものに高めていきませんか。道内ワーストの生活保護受給率、長く深刻な景気の低迷。マイナス要因ばかりが目に付くわけですが、先の自立支援プログラムの成功例に続く、否それ以上の成功例を築こうではありませんか。経済は三流・教育も三流。この悲しき現実をまずは教育から打破しましょう。

 

★教育問題に関するブログを書いております。
http://blog.livedoor.jp/meiko_aikoku_blog/


 

投稿された内容の著作権はコメントの投稿者に帰属します。