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【随 筆】 「ヤング@ハート」になりたい
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北海道建設国民健康保険組合釧路支部 事務長 岸本 聡 (釧路支部会員) |
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ロック・ミュージックと映画の好きな私から、皆さんにお薦めしたい映画作品があります。
ロックと映画、とくれば、往年のファンなら『ラスト・ワルツ』や『ウッド・ストック」を思い浮かべるかもしれません。あるいはビートルズやプレスリーの一連の映画を挙げられる方もいらっしゃるでしょう。
しかし私のおススメは『ヤング@ハート』という作品なのです。
この映画は“ヤング@ハート”という実在のコーラスグループを追ったドキュメンタリー。特筆すべきは、彼らコーラス隊メンバーの平均年齢が80歳を超え(!)、しかもかれらのレパートリーがすべてロック・ソングであること。
年の功のなせるワザか、ヤング@ハートは歌詞の解釈力が素晴らしい。かれらの唄を聴くと、ロックの歌詞とはこんなにも感動的だったのかと再認識させられます。映画からはそれにも増して、ヤング@ハートの唄に対する聴衆の感動が、観る側の胸に迫ってきます。これがまたとても感動的です。
「死ぬまで歌い続けたい」とヤング@ハートのメンバーは言います。かれらは世界中をツアーで回っているのですが、その合間にじっさい死んでしまうメンバーも少なくありません。なにせ平均年齢80歳超ですから・・・。そんなかれらの勇姿には、「こんな年寄りになりたい」と強く思わせる力があります。
柳田国男によれば「学ぶ」という言葉の語源は「まねぶ」、すなわち真似をすることだそうです。「こうなりたい」と願い、かつ憧れて、だれかの真似をする。そのことにこそ学習の根源がある、ということなのでしょう。ひるがえって現代人の多くは、人生の指針となる ような、「こうなりたい」と思わせるモデルを喪失しているように思われます。もし、映画『ヤング@ハート』をご覧になったら、そこに人生の指針を見いだせるかもしれません(?)。
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