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The Association of Small Business Entrepreneurs in Hokkaido
〜私たちは地域の発展と人間尊重の経営を目指す経営者集団です〜


 【随 筆】 『ミルク院長がススム』

   

 

           町立別海病院 院長 西村 進(南しれとこ支部 別海地区会会員)

 

 チュプカとは、日の出るところ、東の方角の意味だそうです。


 北海道の東の果ての大酪農地帯。そこにある小さな町立病院。淋しいところ?実はこんなところです。そんなフレーズで、「ミルク院長がススム」は、はじまります。


 経済、企業経営のことは素人同然の私が、中小企業家同友会に入会したのは2009年の秋のこと。同友会が中心となり別海医療サポート隊「医良同友(いいどうゆう)」が結成されたのがきっかけです。医師不足で危機に瀕した地域医療を住民の手で支えようという試み。別海病院も規模からいえば中小企業。自治体病院といえども院長は、経営者としての役割を担います。


 医者は、医療のことしか興味、関心をもたず、自分の専門のごく狭い領域に閉じこもりがちです。 釧路市立病院で7年間、そんな世界で、私は矛盾や疑問を感じていました。別海病院に赴任して間もなく、こうした住民主体のサポート隊を作っていただいたことは、とても心強いです。


 病院と地域住民との交流として行われた、ワカサギ釣り、地引き網体験。病院前を照らすイルミネーション。保険・医療・福祉との連携し、住民に知ってもらうための医療フェアー。同友会の例会や勉強会で知る地域の特性、役割、問題点。そこで感じたことは、地域医療が抱える問題も地域経済界が抱えている問題も根本は同じだということ。利潤や利便性だけを求め続ける社会風潮、大企業や外圧により決定され、地域特性を無視した政策、すすんでいく核家族化・少子高齢化、地域コミュニティー・教育・医療の崩壊・・・


 同友会の理念。「よい会社をめざす」「よい経営者になろう」「よい経営環境をめざす」「自主・民主・連帯の精神」「人間尊重の経営」「国民や地域と共に歩む中小企業」。これらはまさに地域と密着した中小病院にも求められること。地方に赴任してきた医師は孤独になりがちですが、同友会では、こうした問題を一緒に考えて活動してくれる頼もしい仲間ができました。


 自家用車や救急車での別海、釧路の往来、飛行機やドクターヘリで広大な面積の道東を駆け回る。北海道の特殊な地理的事情、都会とは違う産業構造。その中での求められる医療とは何か。日本各地の名城100選を巡り、各地の地域特性と役割を比較する。研修医指導や学生指導を通じて、何を教育すべきなのか・・・医師、看護師を集めるには・・・地域活性化とは・・・そんな生活を綴った私のブログが「ミルク院長がススム」です。昨年の4月からほぼ毎日更新して情報発信をしています。


★西村さんのブログ「ミルク院長がススム」はこちらからご覧ください。
http://ameblo.jp/milk-land-hospital/

 

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