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The Association of Small Business Entrepreneurs in Hokkaido
〜私たちは地域の発展と人間尊重の経営を目指す経営者集団です〜


 【随 筆】 『中国見聞記』

                                               

            

   

ファーストコンサルティング(株) 代表取締役 乗山 徹 (釧路支部会員)

 先々月、4泊5日の行程で中国の瀋陽市に行ってきました。香港マカオには行った事があるのですが、本土は初めての経験です。瀋陽市は戦前に日本の関東軍が支配した旧満州国にあたる遼寧省の中心に位置する700万都市で、旧南満州鉄道沿いに南は大連から瀋陽、長春、ハルビンと人口400万〜900万人クラスの都市があり遼寧省だけで1億人を超える人口を擁しています。函館と同緯度にあり千歳から飛ぶと福岡と同じ位の時間ですが、3.11震災後直行便が止まっていて関空経由で行くことになりました。

 空港から市内に入ると驚きの連続。まず右を見ても左を見ても高層ビル建設中のクレーンの林にびっくり。交通渋滞の中、歩行者が平気で信号を無視してどんどん車道を歩くのにびっくり。アパートの窓から下にゴミを捨てるおばさんを目撃してびっくり。ゴミを捨てる人が多いのでゴミ拾い人が至る所にいて雇用の受け皿になっているとの事。街中はスモッグと排気ガスで喉が痛くなります。水道の水はそのままでは飲めません。ハイヤーの運転手は運転中に携帯電話で怒鳴っています。ホテルでインターネット環境はあり、メールは使えるのですが、フェイスブック、Youtubeなどのソーシャルディアやヤフー、アメブロも検閲がかかっていて使えません。急速な都市建設で市内の不動産は高騰し、ガイドさんによると不動産屋が儲かってしょうがないとの事。まさにバブルの絶頂期。崩壊直前なのかもしれません。帰りの空港へ向かうバスの中で私が「ムチャクチャな国だったねえ」と述懐すると周りの人も皆頷きながら同調していました。

 そんな奇妙で危ういバランスの中で轟音を立てながら突き進んでいる国ですが、銀行主催のビジネスマッチングの商談から垣間見た中国経済の熱気に触れると、今更ながら日本社会の元気のなさを実感しました。世界経済の情勢もあり中国経済の減速が既におき始めていますが、たとえバブルが弾けようが過去に後戻りする事は無い。中国は過去3千年の歴史の中で繰り返してきたように今後更に力を持ち大国として米国を抜く日が来るでしょう。遅れた野蛮な社会としてブラックボックス化するのではなく、等身大の隣人の姿を直視し勉強するべき時ではないかと思っています。と思って帰国後中国語の勉強を始めました。

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