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The Association of Small Business Entrepreneurs in Hokkaido
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 【随 筆】 『武四郎と私』

                                               

            

   

     郵便局(株)釧路松浦郵便局 局長 佐藤 仁彦(釧路支部会員)

 

 2010年4月に局長として現在の釧路松浦郵便局に着任しました。生まれも育ちも釧路ではない私にとって、松浦町が松浦武四郎にちなんでつけられた地名だとは全く知りませんでした。恥ずかしながら松浦武四郎という人物も「聞いたことがある」くらいでしかなかったのです。幸いにも先代の局長が松浦武四郎の描かれた風景印を考案し、そのまま引き継がせていただくことができました。局舎の外壁にはこの風景印がシンボルマークとして掲げられています。


 同友会に加入させていただき1年余りですが、松浦武四郎を売り込もうという活動が盛んになっています。せっかくですので私もこの活動に多少なりともお手伝いさせていただき「武四郎の知名度アップに貢献しつつ松浦郵便局のイメージアップにも繋がれば」とも考えています。この時期に武四郎活動が活発になったことに「自分の運のよさ」も感じています。武四郎の略年譜に目をやると、何と6回目の蝦夷地探査の年齢(クスリ日誌を記した年齢)と私が釧路松浦郵便局長となった年齢が同じということに気がつきました。多少こじつけのような気もしますが、やはり不思議な縁を感じてなりません。


 晩年、武四郎は自宅に一畳敷を増築しました。北は宮城から南は宮崎まで、旅で知り合った人々に頼み古材を譲り受けたとされています。由緒ある古材も数多く含まれているそうです。この場所で旅の人生を振り返ったとか。ここに私は武四郎が人々に愛される人柄であった事、更に凡人には思いつかない発想を持ち合わせ、晩年まで行動力が衰えなかった人物であったのだと想像しています。また己の死後には、この一畳敷を遺体とともに燃やすように言い残していた事にいさぎよさをも感じ取りました。


 北海道には52もの武四郎にちなんだ記念碑があるそうです。これほど多くの碑がある探検家は他にはいないとされています。やはりもっとアピールして功績を多くの人に知ってもらいたいものです。なんと言っても『北海道の名付け親』なのですから。

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