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The Association of Small Business Entrepreneurs in Hokkaido
〜私たちは地域の発展と人間尊重の経営を目指す経営者集団です〜


 【随 筆】 『10年ひと昔〜そしてこれから』

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(株)残間金属工業 取締役営業部長 残間 巌(釧路支部会員)

 10年ひと昔、とはよく言われることですが、そういえばこの私、高校卒業以来東京に出て11年、その後釧路に戻ってきて、今年でちょうど10年になります。

 「どうして釧路に戻ってきたの?」とよく聞かれることですが、一番はこの故郷釧路が大好きで、家業に対してのなにか誇りみたいなものがあったからなのだと思います。

 さて、その私が今いる(株)残間金属工業ですが、建築鉄骨の設計製作施工をメインに建築金物、例えば賃貸アパートの鉄骨階段などを製作している会社です。

 私自身が思っているこの商売の魅力とはなにか?と言うと、某スーパーゼネコンの広告コピーではないですが、「地図に残る仕事」だと言うこと。釧路市内や周辺管内に当社が携わった物件が多く有り、そのそばを通るたびにその工事の苦労を思い出したり、当時の状況を思い出したり…まあ、ほとんど辛かったことしか思い出せませんが。

 中でも印象的なのが、地上デジタル放送用の鉄塔の建方工事。当社がはじめて経験する工事であったのと同時に、当時の私が私生活においてこれでもかっ!てくらいの不幸な出来事が立て続けにおき(まあ、自業自得ですが…)精神状態は最悪。そんな中で携わった工事ですので、一際思い入れの強い現場です。精度を測定するのに何度鉄塔を上り下りしたことか…おかげで100mくらいの高さはあんまり怖くなくなりました。なんとかと煙は高い所に登るのはまったくその通りなんですね。

 現場の数だけ苦労があり、逆にそれが誇りでもあり、「あの建物オレがやったんだぜ〜」なんて自慢できる、そんなことがこの仕事の大きな魅力だと思っています。

 ところで当社ですが、先代以前からの板金屋時代を含めると自分は五代目になるそうです。昭和初期の釧路の地図を見ると当社の前身がきちんと記載されていたり…現社長は自分の代で鉄構の仕事を始めたこともあってか「オレが初代だ!」と言っていますが。そんな歴史を振り返ってみると、鉄に携わるのを基本として、先代のルンペンストーブ造りから、現在の鉄骨製作へと、まさに変わりながら生き残っているのです。TV『カンブリア宮殿』で、セイコーマートの赤尾会長がおっしゃっていた「続けるということは変わり続けるということ」を、同じくやってきたわけです。

 そう考えると、自分の代にバトンタッチされる頃には、何かまた新しいことをやっていかなければならない。それを見つけるのが私に課せられた大きな宿題なのかな?と思っている今日この頃です。



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