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The Association of Small Business Entrepreneurs in Hokkaido
〜私たちは地域の発展と人間尊重の経営を目指す経営者集団です〜

 「27年の日々」
 

                               サテンドール  谷内田典子氏 (根室)

 

 「自分達の事をそんなふうに言うもんじゃないよ!」と、同友会入会の後押しをし
て下さった某氏にお叱りを受けそうである。としても、わが店は亭主と私の二人の
細々とした営み。「生業としてます!」とは言い難い。

  今から27年前の12月、亭主は脱サラをしジャズ喫茶を開いた。 開店を前に、
亭主は一族の長である本家に挨拶に伺った。その時「何、ジャズ喫茶!与太者の溜ま
り場じゃないのか!」が、叔父の開口一番だったと言う。 
 
  ともあれ、同じくジャズを愛する仲間に煽てられ、否々、その言葉は失礼。皆の助
けを得ての開店であった。
 接客業の経験のない亭主は、当時まだ浸透の薄かったカフェオレと言う呼び名と、
ミルクコーヒーの違いに戸惑い、慣れぬ仕事に一人での店番が恐ろしかったと開店当
時を懐かしむ。
 
  ある時「何でこんなに儲からないのだろう!」と、カウンターに寛ぐ常連客に、愚
痴るともなく呟いた。返ってきた言葉は「ジャズ喫茶なんかやっていたら、儲からな
いの当たり前だろう!」
  そのいたく良識的な言葉は、妙に説得力があった。以来、私達は利益の追求をさっ
ぱりと諦めた。今にして思うと、黒字申告を目指さぬ行為は同友会主旨に反するかと
も・・・?
 
  しかし「一度この店に来て見たかったんです」と、道内外の遠く離れた地から足を
運んで下さる希有な旅人らに勇気付けられ、亭主の淹れる一杯の珈琲を楽しむ、常連
の皆々と会話が広がる日々から、沢山の財産を頂いていると思う。ジャズを聴く聴か
ぬを越えた、皆に支えられての営みである。

  パソコン音痴だった亭主も周りに促され、未熟ながらも我が店のHPをひらいて約
一年半。興味を持たれた奇特な方にノックして頂けたら嬉しく思いながら・・・。
http://www13.plala.or.jp/satindoll/

*根室新聞に連載しているご自身のエッセイ(編集部)
   http://cgi36.plala.or.jp/satindol/cgi-bin/funako/diary.cgi

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