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The Association of Small Business Entrepreneurs in Hokkaido
〜私たちは地域の発展と人間尊重の経営を目指す経営者集団です〜


「私はバカ息子」

 

(株)くしろ紅庄  相田 美樹雄(釧路支部)

私の周りには世間一般に2代目と呼ばれる、会社創業者のご子息の方が結構いらっしゃる。

生まれた瞬間から最低でも1社は就職が約束されていて、親の会社に入社した場合はたいした仕事をせずとも分不相応の役職と給与が与えられ(これは私だけか?)、ほぼ間違いなく社長になれる。一般のサラリーマン家庭より裕福な家庭に育ち、蝶よ花よと育てられる。

創業者の方は偉大な方ばかりで、ゼロから会社を興し今の基盤を作り上げた。個性的な方が多く、やっぱり社長は普通では出来ないんだなというオーラが全身からにじみ出ている。一方2代目の方々は、いかにも育ちが良さそうな感じを受ける。何不自由なく育てられ、「俺と同じ苦労は子供にはさせたくない。」と言う創業者の思いが2代目の顔に表れている。周りも2代目ということで一般社員とは接し方も違う。将来の社長によく思われれば自分のプラスになるのだから当然だろう。

世間の評価では「バカ息子」である。「社長は大した方だが、息子はだめだな。」「あの息子では、あの大社長の後釜は無理だろう。」過去、創業者よりも2代目をほめる言葉を私は聞いたことがない。

ただ、企業を育てるのは経営者の最大の使命だが、次期経営者を育てるのも前述と同じくらい大切な使命ではないだろうか?私が考える理想の企業とは、未来永劫存在し続ける企業である。その意味では、バカ息子に経営を譲ること自体、創業者の経営失敗である。

しかし、本当に世の2代目達はバカか?確かに先代を超える人物は少ない。会社をゼロから作り上げるほどのパワーもない。ただ、端から見ているほど将来を楽観視してる方は少ないはずだ。今は、何を言っても実力も実績もなく犬の遠吠え状態である。
せっかく持って生まれた人様より有利な条件を最大の武器にして、私はこれからものほほんと生きていく予定である。

一言付け加えるが、ごくごく世間一般に言われている話であって、先代の築いた会社をより強い基盤を持つ企業に育て上げた2代目の方もたくさんいらっしゃる。誤解のないよう。

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