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The Association of Small Business Entrepreneurs in Hokkaido
〜私たちは地域の発展と人間尊重の経営を目指す経営者集団です〜

「文句を言わない私のペット」


みどり建工(株) 社長 山崎 宏 (南しれとこ支部会員)
 

  「この仕事は体を壊すか、頭を壊すか、性格を壊すか…」。10年程前に止む無く三代目の社長に就任した私は思いました。

  「何か気持ちがやわらぎ、精神が安定できる時間をつくらなければ…」。猫を飼いました。犬を飼いました。どちらも頭の良い気の利くペットでしたが、癌で他界してしまいました。「もっと散歩に連れていってやりたかった、もっと可愛がってやればよかった…」。そんな後悔の気持ちが残りその後ペットを飼うことは断念しました。

  私の家はまち外れにあり、その先には民家はありません。犬、猫がいなくなって気が付いてみると庭先に野鳥が遊びに来ていることが多くなりました。「これだ!」。餌台を作りました。巣箱を設置しました。ひまわりの種、ヒエ、アワ、パン、ごはんつぶをまきました。りんご、バナナも置きました。 毎朝少しずつやって様子を見ました。家族は「自然の生態系を壊す」と賛成しませんでした。無視して続けました。すずめはもちろんシジュウカラ、ヒガラ、コガラ、ゴジュウカラ、ヒヨドリ、アカゲラが毎日のように顔をみせます。季節によってカワラヒワ、シメ、カケス。アカハラ、シロハラ、ウソの姿も見かけました。小鳥を狙ってハイタカも何度か来ました。冬はエゾリス、春からはシマリスがひまわりの種を食べています。一度だけですが巣箱からエゾモモンガが顔を出したことがあります。一泊していきました。

 いま、庭先でアカゲラが子育てをしています。初めてのことなので無事に巣立ってほしいと遠くから鳴き声を聞いています。野鳥は散歩をさせなくても、私達家族が外泊しても文句を言いません。こんな手間のかからないペットはいないと思いますし、何といってもペットの死に遭遇することがありません。

 毎朝野鳥と挨拶してから出勤します。「さあ今日も頑張るか」。

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