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【随 筆】 『私が思う真のホスピタリティとは』
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(株)ナカイチ 取締役ゼネラルマネージャー 田嶋 靖照氏(根室支部会員)
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当社は根室市内で客室数67室のイーストハーバーホテルを経営しています。ホテルオープンは平成4年。今年で15年目を迎えます。 『ホスピタリティ』という言葉を、私は社会人になった10数年前に新入社員研修で知りました。日本語に訳すと『おもてなしの心』という意味です。最初に就職したホテルで言葉の語源や意味を教えられ、常に意識するのが真のホテルマンであると教えられました。現在は我々のみならず業種・職種を問わず『ホスピタリティ』という言葉が広く浸透しています。 私は『ホスピタリティ』を極めたく、ホスピタリティに関する文献や一流ホテルの文献をひた すら読み漁り、自分と照らし合わせ悩み戸惑いました。しかし、結局どの文献でも一流ホテルの「人・モノ・カネ」が充実した事を前提に書かれてあるので、精神面の参考にはなりましたが、一流ホテルと当ホテルの格差と、大規模や中央に対する嫉妬心を覚えるばかりでした。 それでも、最近『ホスピタリティ』に対する光が見えて来たような気がします。答えは当ホテルを利用して下さるお客さまの会話の中にありました。 「根室に初めて来たけどどこを見ても素敵な景色ですね」、「根室の魚介類は何を食べても美味しいですね」、「野鳥観察に来たけど春国岱のような場所が日本に在ったのですね」、「道路脇にオオワシがいたので思わず車を止めて見入ってしまいました」 そうです、恥ずかしい話しですが根室に来るお客様の方が我々よりも根室を楽しみ、根室を知り、そして根室を愛しているのです。 根室を訪れるお客様に満足していただくために、私は根室の知識そのものが不足していました。一年中根室に居ながら根室の悪いことばかりに気を取られていました。 ホテルマンとしての基本が身についた(であろうと思っている)今、真のホスピタリティを極めるには、根室を知り尽くし、その深みを感じ、楽しみ、それを訪れるお客さまに提供出来る環境を整える事が課題だと思います。
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