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The Association of Small Business Entrepreneurs in Hokkaido
〜私たちは地域の発展と人間尊重の経営を目指す経営者集団です〜


 【随 筆】 温故知新


タカオ工業(株) 常務取締役 岩口 潔氏(釧路支部会員) 

 

 一年も残すところわずかとなり、慌しい師走を迎えた。
 先日、三十余年ぶりに学生時代の仲間が集い、旧交をあたためる機会があった。昔のままの話題にほのぼのとした感慨を覚えつつ、思えば大志?を夢見て社会へ飛び込んだ頃の自分を懐しくも恥かしく思い出している心地良さに暫し浸りながらも、近頃の言い知れぬ不安を感じていたのは、自分だけだったろうか?何か最近の社会における価値観が二極化され、勝ち負けとか、極端な結果を前提に対立軸が作られているように思う。

  
 例えば、ワーキングプアなる変てこな英語があるが、結果表現を一言で表現する怖さに我々は気づくことが大事だと思う。私たちが形づくっている社会は時代と共に変化もするし、様々な制度、システムは当然見直しは必要であるが、敢えて極端な事象を組み入れた制度設計は、二極化を前提とした対立しか生み出さないと思う。先程のワーキングプアの例でも家族、友人、上司等の人間関係の段階での触れ合いが大きなポイントではないかと思います。人間同志が作り合っているコミュニティである以上、悪い結果が出る前のお互いの思いやり、気遣いが必要ではと思う。

 

 マスメディアの流す一方的で殊更二極化を煽る情報を私達は選別吸収し分析し、自己の責任で発言、行動すべきだ。いつの間にか社会の仕組みが変わったような錯覚を感じるが、先輩が築き上げた和の遺伝子は間違いなく私達にも受け継がれている。

 

 バブル以降の大きな反省として、諸外国の押しつけにはダブルスタンダードがあることも解ったし、能力主義一本やりでは日本社会では受け入れられないことも検証できたのではないだろうか。私たち日本人は和洋折衷が得意だし。自分達の生き方に合わせて工夫し、使い勝手のよい物づくりのノウハウもある。そんな事を考えながら利益を追求する定めをもつ企業にあっても様々な異見を集約し、時代の変化による表面上の価値観から生まれる常識というよりは、和の遺伝子を基本とした日本人の本来受け継いできた良識を以ってバランスの取れた中庸の落としどころがこれからは必要かも知れない。

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