政府が「中小企業憲章」制定に向けた研究会をスタート

投稿日時 2010-2-5 13:32:54 | トピック: 全道・全国

「中小企業憲章」の骨子づくりの検討が政府で始まりました。同友会は、国家には
『中小企業憲章』、地方公共団体には『中小企業振興基本条例』の制定を求め、全国
的に運動を進めています。2009年4月には釧路市と別海町で条例が施行され、中
標津町、厚岸町、弟子屈町でも制定に向けて準備が進んでいます。
 中小企業家同友会全国協議会(中同協)より政府の動きについてレポートが届きましたのでご覧ください。


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政府が「中小企業憲章」制定に向けた研究会をスタート
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 2010年2月3日、経済産業省本館において中小企業庁の「第一回中小企業憲章
に関する研究会」が行われました。冒頭、直嶋経済産業大臣が「産業構造の転換期の
中で、新しい中小企業の役割をふまえた理念、指針をまとめていただきたい」とあい
さつ。研究会の座長には成城大学の村本孜教授、委員として横浜国立大学の三井逸友
教授、立教大学の山口義行教授など六名が就任しました。また、政府側から経産大臣
の他、増子、松下の両経済産業副大臣や中山首相補佐官、長谷川中小企業庁長官、各
省庁の担当者など二十数名が出席。さらに、傍聴席には約七十名が参加する盛況ぶり
で、憲章への関心の高さを示しました。同友会からは、中同協と東京・埼玉の同友会
の役員・事務局が傍聴しました。

 研究会では、事務局が現行の中小企業基本法と民主党「日本国中小企業憲章
(案)」、EUの「欧州小企業憲章」を比較しながら、「中小企業憲章」に盛り込む
べき内容や性格などの論点を整理した後、「憲章」の骨格をめぐって討論が活発に行
われました。
 
 特に議論となったのは次の二つの論点です。一つは、「欧州小企業憲章」が「小企
業」にこだわっているが、日本では憲章の対象をどう考えるかということ。三井教授
からは、EUが「小企業」にこだわっているはシンボリックな意味であり、政策対象
は中企業を含む中小企業、しかし「シンクスモールファースト」が強調されているよ
うに、小さい企業に目線が行き届くことが趣旨であるとコメントしました。もう一つ
の論点は、現行のタテ割の行政を各省庁に「横ぐし」を入れて中小企業の役割を共通
認識とし、総合的に中小企業政策に取り組む基盤となるのが憲章の役割であるという
ことも議論の焦点となりました。
 
 研究会は三月までに中小企業経営者や各種団体、金融機関などの意見聴取を行い、
五月頃をメドに骨子をとりまとめる予定です。

*配布資料は同友会のホームページからダウンロードできます
http://portal.doyu-kai.net/modules/mydownloads/visit.php?cid=2&lid=193


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血の通った中小企業憲章を
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 中同協は2月3日、中小企業庁を訪ね、長谷川榮一中小企業庁長官と懇談しまし
た。懇談では、中小企業憲章について意見交換をしました。当日は、中小企業庁に設
置された「中小企業憲章に関する研究会」が予定されており、立て混んだスケジュー
ルの中での懇談となりましたが、短時間ながら、なごやかな雰囲気の話し合いとなり
ました。

 中小企業庁長官と懇談したのは、中同協の鋤柄修会長と広浜泰久幹事長、国吉昌晴
副会長・専務幹事、瓜田靖政策局長、斉藤一隆主任事務局員。なお、長官の他、宮本
昭彦同庁事業環境部企画課長が同席しました。まず、鋤柄会長が同友会について簡単
に紹介した上で、中小企業憲章に取り組むようになった経緯を説明しました。それに
対し、長官は、同庁が各地で開催している「一日中小企業庁」で、その地の同友会の
役員からも中小企業憲章などの提案をいただき、よく理解していると応えました。
 
 さらに、長谷川長官は、「現行の中小企業基本法にも中小企業に対する考え方があ
る程度書いてあり、それを引き算したり、足し算したりするのかと思う。いずれにせ
よ、研究会ができましたので、論点整理を進めていきますが、加えて中小企業に関係
する方々のご意見をお聞きしなければなりませんので、ある程度の時間がかかると思
います。みなさんの意見もお聞かせいただきたい。せっかくつくるのですから、血の
通ったものにしたいと考えています」と述べました。
憲章制定の位置づけについて長官は、国会決議の場合は全議員一致が慣習となってお
り、相当の時間がかかってしまう可能性があるとの感触を示し、どのようにするか検
討課題としました。
 
 長官は両親とも中小企業経営者の家庭に育った自らの経歴を紹介し、中小企業に対
する認識、考え方はさまざまであることを体験から述べるとともに、中小企業憲章は
しぼられた内容にすることが肝要であること、中小企業の役割の重要性について国民
に発するメッセージであることを強調しました。懇談は、終始なごやかな雰囲気の中
で進められ、今後も継続して意見交換をすることを約して終了しました。



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