その7
尾鷲港と尾鷲市須賀利町を結ぶ巡航船が29日、100年の歴史に幕を下ろします。
須賀利町は離島ではありませんが、昭和57年に県道が通じるまではこの船だけが、町民の足でした。陸路だと尾鷲港まで40分以上は掛かります。
乗船時間はおよそ20分。自転車や新聞、食料品などが海を渡っていきます。この日の船室は満席。尾鷲市内の眼科からの帰りのお年寄りが数人と、あとは船が廃止になることを知って乗船にやって来た人たちです。
学校へ、病院へ―。何人もの人々といくつもの物語を運んだ船は町民の命の海路。病院へ急ぐ船の中で、出産したというエピソードも残っています。
一時は1500人だった人口も今では260人ほど。小学校は廃校になり、子どもはひとりもいません。またひとつ、須賀利町の日常が消えようとしています。
『29日に廃止になる巡航船「すがり丸」』 尾鷲市(おわせし)
尾鷲港と尾鷲市須賀利町を結ぶ巡航船が29日、100年の歴史に幕を下ろします。
須賀利町は離島ではありませんが、昭和57年に県道が通じるまではこの船だけが、町民の足でした。陸路だと尾鷲港まで40分以上は掛かります。
乗船時間はおよそ20分。自転車や新聞、食料品などが海を渡っていきます。この日の船室は満席。尾鷲市内の眼科からの帰りのお年寄りが数人と、あとは船が廃止になることを知って乗船にやって来た人たちです。
学校へ、病院へ―。何人もの人々といくつもの物語を運んだ船は町民の命の海路。病院へ急ぐ船の中で、出産したというエピソードも残っています。
一時は1500人だった人口も今では260人ほど。小学校は廃校になり、子どもはひとりもいません。またひとつ、須賀利町の日常が消えようとしています。
2012年9月28日
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