【随　筆】 『３０００種類の魔法との出逢い』

　　　

　世の中には２種類の人間がいます。本を読む人間と読まない人間です。私は自分の人生で最も幸福なことの一つが前者になれたことだと思っています。
　子どもの頃、父親の知人で図書館に勤務されている方が近所にいまして、その方が足繁く私の元へ本を運び続けてくれ、素直だった当時の私は勧められるままそれを受け入れ読み続けて、いつしか本が傍らになくては生きていけない体質へと造り上げられていったようです。もちろん正確に数えたわけではないですが、たぶん今までに３０００冊以上の本に魔法をかけられてきたと思います。まだまだたくさん読まれている方もいらっしゃるでしょうが、私は十分に満足できるほど数々の魔法の様な本たちと、幸せなめぐり逢いを果たしてきました。ちなみに現在好きな作家は、師匠と崇めている中村航さん、瀬尾まいこさん、森絵都さん、中田永一さん、中村由佳さん、などなどです。
　本を開けばいつでもどんな時でも世界中の(時には宇宙へでも)どこにでも行けます、誰にでもなれます、何だってできます。そして読み終えると心がとても豊かになり寿命が一日延びます(笑)。他の趣味をお持ちの方々には異論があると思いますが、私にとっては本が最高の支えであり、大切な宝物です。
　せっかくこれだけ無駄に熱く語りましたので、もし読書の苦手な方に”ちょっとだけチャレンジしてみようかな”と思ってもらえたら嬉しいですね。
　ちなみに私は本と同じくらいパンが好きです。食生活の７０％以上はパンを食べています。パン屋さんもかなりのお店を回り歩き、お気に入りのパンを見つけてきましたが、現在は同友会の会員さんでもある”ヴォール”さんのパンに魅せられてしまい、三日と空けると身体が禁断症状を起こしてしまうほどの美味しさにとっても満足しています。ですからそんな私の最高に幸せな時間は、パンを食べながら本を読んでいる心満たされた一時ということになります。
　皆さんもそれぞれにストレスを解消する方法があると思いますが、その素敵な時間をどうか大切にして、日々の生活の糧とし、慌しい年末を元気に乗り切っていきましょう。

P.S　いつかは自分でも小説を書いてみたいなんて夢を見ていましたが、こんな原稿でさえ頭を悩ませ四苦八苦して、結局こんな稚拙な文章しか書けないのですから、実現は限りなく不可能に近いのではと思われます。