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The Association of Small Business Entrepreneurs in Hokkaido
〜私たちは地域の発展と人間尊重の経営を目指す経営者集団です〜


「元酪農家として思うこと」

 

トーワ計装(株) 柳原博志(釧路)

私は10年前まで浜中で酪農を営んでいましたので、「食」の現状について関心があります。

 生産者の顔が見える販売という事で、スーパーで顔写真を見せて販売している風景に出会うことが多くなりました。又、ここ10数年の間に、チーズやアイスクリームなどを自家製造して販売している生産者も多くなりました。さらにスローフードの胎動とでも言ったらいいのでしょうか、各地の名産を地元の皆さんに食べてもらおうという試みも行われています。

  これらの事例から、生産者の皆さんが消費者に近づきたいという思いが強まっていることがわかります。生産者は食糧生産そのものが仕事ですから、経済的にも潤いたいと考えています。でも、それ以上に食糧生産に自分の生きがいを見出したいのです。消費者の喜ぶ顔を直接この目で見たいのです。それが自分の喜びになります。

 翻って、消費者の皆さんはどうでしょうか。北海道の消費者には、もっと食にこだわった生活を送っていただきたいと思います。美味しいものを食する為には生産者との対話が必要です。食の安全は両者の対話の中からのみ実現されると信じます。ハサップなどの法律や規制などで食の安全は確保されても、犠牲になる事も新たに生まれると思いますが、皆さんはどう思われますか?

 同友会の皆さんは職種や趣味は様々です。でも食することは皆さん共通です。親子でも同様です。「食」にこだわり、時間を費やすことが家族の時間の共有となり、良い循環を生むのではと思います。

 高齢化や少子化など、今後劇的な変化を迎えるであろう日本に於いて、人間の生きる源泉である食と、その文化を健全な方向へ導くことは、私たちに課せられた重要なテーマなのではないでしょうか。

 今年12月に初孫が誕生する立場になって、ふとこのような事を考えてしまいました。



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