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The Association of Small Business Entrepreneurs in Hokkaido
〜私たちは地域の発展と人間尊重の経営を目指す経営者集団です〜


 【随 筆】 『同友会の組織力』

                                               

            

   

           (株)津村測量設計 代表取締役 日下 雪夫(南しれとこ支部会員)

 

 今年の7月5日、6日に札幌で中同協の第43回定時総会が開催され、全国から1100名余りの会員が総会議案・分科会等を通して熱心な討論を繰り広げました。私は岩手同友会の「大震災からの復興は地域と共に生きる」分科会に参加しました。報告者は岩手同友会代表理事で気仙支部長の田村滿氏。今回の震災で陸前高田市は岩手県内でも最悪の被害に見舞われました。68名もの犠牲者を出した陸前高田市役所では、対策本部がうまく機能せず、同友会メンバーが中心となって市職員と共に全国から集まった物資の仕分け、避難所への配送作業を行いました。田村氏はその活動をリードした人物です。同友会の行動力の素早さは民間で最も早く、WHO(世界保健機関)も驚いていた様です。なぜ、同友会はこのように迅速な対応が出来たのでしょうか。それは普段から地域密着型の経営と運動を展開している同友会の組織力が効果を表したことに他なりません。


 震災後、困難に立ち向かっている田村氏の姿に心うたれ、南しれとこ支部で講演会を開けないかと模索しましたが、復旧作業の最中でとても無理なことでした。こちらから現地に伺う事も考えましたが、一方的に訪問するのではかえって迷惑になります。そこで被災地の状況確認だけに目的を絞って10月初旬に1泊4日の行程で陸前高田市に入りました。現場を見た瞬間「これが現実か?」と驚くばかりでしばらく沈黙してしまいました。報道で見るのと現地に立つのではかなりギャップがあります。復興は本当に険しい道のりですが、現地の人々は持ち前の東北人の粘り強さで着実に復興へ向けて進んでいます。


 私が現地に立ってみて感じた復興支援の在り方は、被災地の事を忘れず、あたかかく見守ると同時に同友会の理念を基本として自社の生産性を高め、少しでも多くの税金を支払うということです。2012年の釧根三支部の新年交礼会では気仙支部長の田村氏が新春講演を行います。1人でも多くの会員の方に出席していただき、素晴らしい気づきを感じて頂きたいと思っています。

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