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「銭湯すたれば・・・ 」 |
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(有)春の湯 成澤祥明 (釧路支部)
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明けましておめでとうございます。まずは写真の説明を致します。私の顔と同じくらいの大きな夏みかんのようなものは晩白柚(ばんぺいゆ)です。熊本県のJAやつしろより取り寄せました。重さは3キロほどあります。 お正月の2、3日に春の湯武佐店の浴槽に浮かべました。
私は十一年前に父の経営する銭湯を妻と二人で引き継ぎました。 当時北海道には六百軒の銭湯がありましたが、現在は四百軒に満たない数まで減ってしまいました。最盛期には千四百軒以上の銭湯がありましたので、実に千軒以上が廃業したことになります。最大の原因は後継者がいないことです。銭湯の経営は不況の先端を進んでいます。昭和三十年には最高裁裁判官全員一致で「銭湯の経営は国民の生活衛生を担う大切な仕事だから競争してはいけません」と判断を下しています。しかし規制緩和のもと、「時代が変わったからね」と言われます。今の日本は最高裁の判例など意味のない無法地帯のようです。 気がつけば私の町内には青果店も鮮魚店も精肉店も雑貨屋さんも金物屋も花屋さんもなくなりました。少し残っているのは、理容と美容の店だけです。本当にこれでよいのでしょうか。時代に合わなかったからと言って見過ごして良いのでしょうか。
大学の先生は地産地消と仰います。地元で生産した農産物や水産物は地元で消費し、加工して付加価値つけて大都市で消費してもらう。それが地方の生きる道と頭では理解できます。 しかし、安い原料へと手が伸びる自分に気づきます。
商店すたれば人情すたる
商店街を知らない子供たちに
集団生活のルールと
マナーを教えよ
スーパーに店ありといえども
その店は、おやじやおかあとしゃべり合う場にあらず
ただ商品を買うだけ
魚の見方や野菜の見方
人に対する思いやりなど
基本的ルールは
だれが教えるのか
われは、わがルーツを
求めて商店へ
詩人、田村隆一の「銭湯すたれば」の替え歌です。
<追伸>去年、釧路で三軒の銭湯が廃業しました。
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