医療法人社団   大島歯科医院　 理事長　 大島尚久　(釧路支部会員)

　 
　先日の幹部大学同窓会例会で私はずいぶん警戒していたにも拘らず高野ウィルスに感染してしまいました。このウィルスは感染すると潜伏期間がほとんど無く「映画観たい病」が発症するという強力なものです。

 　感染源はいわずと知れた公立大学で哲学を教える高野敏行教授。感染経路は空気を介した言語であり、明確で判りやすく、ニコニコと童心に帰ったような笑顔から発せられる高野ウィルスから逃れるのはなかなか困難であります。

 　特に厄介な事は感染した人により変異が激しく、過去に報告された症例には写すハードが無いのに「パゾリーニのＬＤ（レーザーディスク）を買ったで症」や時間的に全く観る事が無理なのに「一度に１５本の映画をレンタルしたで症」等、枚挙にいとまが無い。また高野教授自身、自分が感染源になっているという自覚が無い上、大学では哲学を扱っているにもかかわらず学生に絶大な人気があるため隔離出来ないというのも困ったものであります。患者は増加傾向にあるのは勿論ですが救いとしては直に話を聞かなければ感染しないという事なので爆発的に蔓延するという事は無いということでしょうか。

　 さて、知ってか知らずか自分と同じように多くの人に罹患させて仲間を増やそうという目論見をもつＹ事務局長の熱心な案内で１１月の例会に集まった仲間は１０名弱、お題は「ロバート・アルトマン」からはじまり「キングコング」｢メル・ブルックス｣｢ルイ・マル｣と続き本題のパゾリーニに達するまでたっぷり３０分。もうその頃、ほとんどの参加者はウィルスに冒され催眠術にかかったように目がうつろになっておりました。もちろん予定時間をオーバーした例会とその二次会でも、速射砲のように発せられる高野ウィルスはやはり強力な感染力を発揮したのは言うまでもありません。

　　しっかり感染してしまった私はレンタルビデオ店のはしごを余儀なくされ、寝不足になってしまいました。どうか「映画観たい病」にかかって幸せな気分に浸りたい方、来年も企画したいと思いますので幹部大学同窓会に来てみてください。