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The Association of Small Business Entrepreneurs in Hokkaido
〜私たちは地域の発展と人間尊重の経営を目指す経営者集団です〜

「雑感」
 

 

釧路コールマイン(株)  常務執行役員次長  菊地靖則 (釧路支部会員)


 先日、世界的に有名な中国の聴覚障害者の方々の舞踊団がテレビ放映されました。彼らは、空気の振動を全身で感受し、音を聞き分けリズムを合わせ、一糸乱れぬ神々しいパフォーマンスを演じており、世界各国の感動を呼び起こし絶大な賞賛を浴びています。
彼らの直向な努力と至極の技を追求する姿に深い感銘を覚え、まさしく彼らの心の振動を感受した思いでした。

 実は、聴覚障害者の方々とは多少の縁があります。学生時代の下宿の大家さんは手話の会会長であったため、彼らは頻繁に下宿に出入りし、私は、手の動きで会話ができることに漠然と興味を抱き、流れるままに手話の会に入会しました。

 彼らは、覚束ない私に優しく教え、時には、彼らには決して聞こえない自らの声を発し何とか伝えようとしました。私も呼応すべくある程度の会話ができるようになりました。
しかし、徐々に私の手話が彼らに充分に理解されないことに少々苛立ちを覚え、彼らの会話を聞き取る意欲が次第に薄れてきました。

  そんな時、彼らの一人が手話の会の女性会員と結婚することを聞き、迂闊にも健聴者である彼女に、「障害者の方と結婚すると大変ですね。」と話し掛けました。
彼女は「彼の人間性に惹かれ結婚したので、体の機能は生活には何も問題ないです。」と笑顔で答えました。その際、その彼が「彼女の声を一度だけでも聴きたい。」と呟きました。私は、彼らの深層にある信念と慟哭に触れ、自分の先入観や価値観を振り翳した無神経な言動を後悔した思い出があります。

 しばしば、私は力量が乏しいにもかかわらず、一般論や常識に照らし、他者の言動を批判することがあり、饒舌に表現してもそこには実態がないことを思い知らされることがあります。

  拙くても真心を込め造り上げたものは崇高であり人の心を動かし、逆に自らの思い込みを盾に闊歩すれば、相手を理解できないばかりか信頼関係させ損なうこととほんの少し自戒を込め感じ取る一時でした。

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